2018年2月20日火曜日

(K0295)  婚活ブーム10年・結婚率改善へ <少子高齢化>


 
 日本の少子高齢化が進んでいる。高齢化は長寿の結果であり、好ましいことである。変えたいのは「少子化」だが、生涯未婚率(50歳時点で一度も結婚したことのない人の割合のこと)の上昇が止まらない(添付図参照)。結婚しないと子どもが産まれず、少子化はさらに進行する。
 
 
【項目】 

(1) 婚活ブームから10年。若い男女の未婚率は改善しなかった

(2) 「『婚活』時代」が訴えたかったのは次の2点だった

(3) 婚活=『いい男の奪い合い』と誤解された。

(4) さらに、婚活ブームは予想外の事態を招いた。「恋愛の衰退」だ。

(5) 結婚するための処方箋

(6) 解決すべき問題の所在

 

【具体的には】
(1) 婚活ブームから10年。若い男女の未婚率は改善しなかった

===== 引用はじめ
 結婚することを目標に意識的な活動をすることを意味する「婚活」(こんかつ)は、中央大学の山田昌弘教授(家族社会学)が2008年に出版した「『婚活』時代」(白河桃子さんとの共著)をきっかけに、広がった言葉だ。

 ところが、未婚率は改善されていない。若い男女の未婚率は、「『婚活』時代」が出版される前の05年よりも、出版後の10年のほうが上昇しているのだ。

 10年国勢調査によると、未婚率は次の通り。
・男性25~29歳=71・8%(05年比0・4ポイント増)
・男性30~34歳=47・3%(同0・2ポイント増)
・女性25~29歳=60・3%(同1・3ポイント増)
・女性30~34歳=34・5%(同2・5ポイント増)
===== 引用おわり
 

(2) 「『婚活』時代」が訴えたかったのは次の2点だった

===== 引用はじめ
「『婚活』時代」が訴えたかったのは次の2点だった
(1)待っていたって結婚はできない
(2)夫に経済的に依存する結婚を目指すのは無理。女性も共働きを目指すのが良い
===== 引用おわり
 

(3) 婚活=『いい男の奪い合い』と誤解された。

===== 引用はじめ
 ところが、実際には「婚活=『いい男の奪い合い』と誤解された。数少ない、収入の安定した男性を捕まえるために、早く活動しなくちゃいけないというふうに理解されてしまった」と山田教授はみている。
 つまり、経済的に男性に依存する、という従来型の結婚観を変えることができなかった。
===== 引用おわり
 

(4) さらに、婚活ブームは予想外の事態を招いた。「恋愛の衰退」だ。

===== 引用はじめ
 さらに、婚活ブームは予想外の事態を招いた。「恋愛の衰退」だ。
 男も女も経済的安定を最優先にしたら、恋愛が遠ざかってしまい、ますます結婚がしにくくなったのだ。
 「交際して別れる。いわば“リスク”を取れなくなっている。女性は『別れてしまうなら時間の無駄』、男性は『お金の無駄』と思ってしまう。つまり“恋愛はコスパが悪い”。もっとほかに楽しいことがあるだろう、と」
 また、恋愛よりも結婚が優先された結果、「条件面はともかく、交際してみたら良さが分かる人」が排除されてしまっている。
===== 引用おわり
 

(5) 結婚するための処方箋

===== 引用はじめ
 「処方箋は、『「婚活」時代』で提示した方法と変わってはいないんです」と山田教授。
 結婚に対する考えを柔軟にすること。出会いの数を増やすため女性は積極的に外に出る。男性は経済力とコミュニケーションを身につけるために自分を磨く。これにつきるのだという。
===== 引用おわり
 

(6) 解決すべき問題の所在

===== 引用はじめ
 「男女ともに結婚したいのにできない状況。結婚のために積極的に活動する『婚活』が間違っているわけではない。ただ、男性が稼ぐという結婚観が変わらなかったことが大きい。結婚観や格差社会など構造的な問題を解決しない限り、改善しないのでは」(文化部 油原聡子)
===== 引用おわり

 
出典
山田昌弘、「婚活ブーム10年 生みの親。山田教授に聞く  恋愛衰退…積極的に出会いを、産経新聞(2018/02/08

誕生から10年「婚活」生みの親が男と女に鳴らす新たな警鐘
http://www.sankei.com/premium/news/180120/prm1801200015-n1.html

 
 

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