2018年1月23日火曜日

(K0268)  祈りは遺伝子を「活性化」する <心の健康・体の健康>


===== 引用はじめ
 われわれは「宗教的な祈りや瞑想」をそのまま研究対象にした。なぜなら「祈りや瞑想」は単なるリラクセーションや集中力アップの手段ではなく、大自然と調和した一体感や神仏との合一体験などの意識状態の変性を伴うものであり、そこに「祈りや瞑想」の本質があると考えたからである。
 まず、祈りや瞑想が身心にどのような影響を及ぼしているかを調べるため、日常的に祈りや瞑想を実践している高野山真言宗僧侶における遺伝子発現の活性化(オン・オフ)の検討を行った。
===== 引用おわり


 その結果、「僧侶型オン遺伝子」を発見した。
 

===== 引用はじめ
 今回、「僧侶型オン遺伝子」として見いだされた遺伝子はいずれもI型インターフェロン関連遺伝子であった。I型インターフェロンはウイルスの増殖を抑えたり、感染した細胞を除去したりすることによって、ウイルスから身体を守っているタンパク質である。僧侶群におけるこの特徴は、僧侶になるための修行か、あるいは日常の行において獲得・維持された資質であると考えられる。すなわち、僧侶では自然免疫系が全体に活性化していると考えられる。
===== 引用おわり
 

 さらに、この「僧侶型オン遺伝子」と「共感性」に一定の関連性が見いだされた。
 

===== 引用はじめ
 一方で、僧侶は他人の感情や行動に対する共感の度合いが高かった。これは、僧侶の心理的な感受性の強さの表れといえる。本研究で最も興味深い結果とは、共感性と僧侶型遺伝子に一定の関連が見いだされたことである。僧侶における自然免疫系の活性化は、僧侶の身体的な感受性の強さの表れの一つとして捉えることもできる。
===== 引用おわり
 

 ここから、「共感という心理的な感受性と、自然免疫機能という身体的な感受性に共通の基盤がある」ことが推測される。
 

 祈りが科学されている。

 『21世紀の人類が直面する課題は、科学だけでも宗教だけでも解決しない。宗教がもたらす人間性の深い理解と、現代科学の知見を融合して苦難を克服しなければならない。村上和雄博士の重要な研究が、私たちの目標に近づけてくれる』(ダライ・ラマ14世)
 

出典
井上和雄、祈りは遺伝子を「活性化」する、正論、産経新聞(2018/01/11)
祈りは遺伝子を「活性化」する 慈悲の心が免疫機能の強化につながる 筑波大学名誉教授・村上和雄
http://www.sankei.com/column/news/180111/clm1801110005-n1.html

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