2017年12月23日土曜日

(K0237)  趣味(12) 趣味の辞典(5) / トライアングル理論(25) <定年後>


 しつこく再び、趣味に話題をもどす。参考になりそうな記事を二つ書き留めておく。


===== 引用はじめ
 以前から定年後の男性をテーマに書きたかったんです。三菱重工業の社員として社内報を編集していたとき、定年を迎える社員にインタビューをして、コメントを掲載していました。「これからどう過ごしますか」と聞くと、皆さん、「菊作りをする」「孫と遊ぶ」「妻と温泉に行く」なんて口をそろえるんです。

 私自身が会社を辞めたとき、「あのとき退職する皆さんが話していたことは違ったのではないか」と思い始めました。だって毎日、やることがないんです。趣味なんて、忙しいときに時間を捻出してやるからこそ楽しい。毎日趣味に生きることは、多くの人にとって難しいと思いますよ。
===== 引用おわり

内館牧子、「終わった人」はあがかない、話の肖像画、産経新聞(2017/12/12)
http://www.sankei.com/life/news/171212/lif1712120021-n1.html

 
 「定年になったら、趣味三昧の生活をする」という人が、確かに多い。「趣味なんて、忙しいときに時間を捻出してやるからこそ楽しい」は、その通りだと思う。趣味が人生の主役になった途端、つまらなくなってしまう。

 

 次は、IOC副会長だったアベリー・ブランデージの言葉。

===== 引用はじめ
 「アマチュアは楽しみのためにスポーツを行い、身体や精神、社会的な利益を引き出すためにそれを行う者、また、直接、間接を問わず、いかなる報酬も受けることなく、娯楽として行っている者をいう」と定義した。
===== 引用おわり

蔭山実、スポーツは重要で難しい労働、オリンピズム、産経新聞(2017/12/12)

 
 少し複雑な表現だが、「楽しみのため」「娯楽として」という言葉が散りばめられている。「趣味」もまたこのキーワードを外せない。スポーツをすれば、身体や精神に良い影響を及ぼす。趣味もまた、身体や精神に良い影響を与える。それとは別の何かの目的で趣味をすることはない。

 例えば「オリンピックを見て感動した。勇気が出た」という発言が、「社会的な利益を引き出す」に該当するのだろうが、趣味は「社会的な利益を引き出す」ことを目的にはしない。
 

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