2017年9月29日金曜日

(K0152) 街に溢れだす認知症者 / 認知症者の居場所(3) <脳の健康>


前回、「加速度的に増える認知症者数」について書いた。

今回は、街に認知症者が溢れ出す、ということを書く。


認知症者が街を彷徨う時代が来る。

 

「加速度的に増える認知症者数」に呼応するように、
「高齢者向け住いの定員数」も増加している(添付図参照)。

出典: 「厚生労働省(老健局)の取組について」
平成27年3月19日 厚生労働省 老健局 高齢者支援課
https://www.mlit.go.jp/common/001083368.pdf

 

ここまでは良い。問題はこれからだ。

「高齢者向け住いの定員数」はどこまで伸びて、どこで頭打ちになるのか。

 

高齢化率は、今後も、どんどん高くなっていく。しかし、

高齢者(65歳以上)の絶対数は、2040年ころにピーク(3876万人)に達して、以降は減少に転じ、2060年ころには3464万人(ピーク時の89.4% )まで減少する。

出典: 「高齢化の推移と将来推計」(添付図参照)/2016年度 高齢社会白書
http://www8.cao.go.jp/kourei/whitepaper/w-2016/zenbun/pdf/1s1s_1.pdf

 

もしも、2040年のピークを対象に高齢者施設を建設すると、2060年には、その10%が余剰となる。建設費が無駄になり、毎年余計な維持管理費が発生することになる。

これを避けるために、ピークに合わせるのではなく、例えば、その90%レベルで施設建設を留めることが好ましい。その結果、例えば、ピーク時には、10%の高齢者が溢れ出す。

このようにして、認知症者が街を彷徨う時代が来る。


 
高齢者が増えるのが問題なのではない。
高齢者が減るのが、問題なのだ。


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